山田 風太郎

甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)

家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽し、戦慄の死闘をくり展げる艶なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ。

甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1) (講談社文庫)
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講談社 1998-12-11
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参考レビュー

「忍者集団vs忍者集団」の闘いを極めた忍法帖の最高傑作

いつも読者の喜び度を考慮する山田先生らしい構想である。 その上最後には愛し合う弦之介と朧との対決が待っている。 それにしても物理法則や人体仕組みを超越した奇妙奇天烈な技のアイデアが次々と湧き出る様には感心する。 その上、甲賀のプリンス弦之介と伊賀のプリンセス朧がロミオとジュリエットステータスにあると言うサービス付き。 忍者達は死闘を続けながら駿府を目指して東海道を上るが、やっぱり結末は...。その上闘いは、伊賀・甲賀の代表十名づつ。 巧みな構成である。 しかも、双方一人づつ舞台から消えて行く...。このパターンがその後の漫画や小説に大きな影響を与えた事は周知の通りであろう。 その上読者は欲張りだから、実際驚いた技の次には更なる奇抜なアイデアを望みする。 それにも見事に応えているのだ。 山田ワールドの面白さ全開のエンターテイメント大作の決断版。 私は「伊賀忍法帖」も読んだが、「忍者集団vs忍者集団」の闘いという趣旨では本作の方が優っている。 個人的には陽炎の凄まじい情念がフィーリングに残ったなぁ。 大坂の陣を前にした家康が、伊賀と甲賀の怨念のライバル忍者集団の勝負の結果によって、秀忠の跡継ぎの三代将軍を決める、と言う破天荒な設定の下、奇想天外な技を持つ忍者達の壮絶な闘いを描いたもの。 自由奔放に見えて、その実計算された筆運びなのだ。 各忍者がこの世のものとは思えない秘技を披露して敵を倒しては、続いて敵の忍者がこれさらに新たな秘技でその忍者を倒す。 山田先生の「忍法帖シリーズ」の代表作とも言える傑作。 弦之介は他を圧倒する至高の技を持つが、朧も一通りの幻術を無力化する究極の無垢の瞳を持っているのだ。 怪異なものから妖美なものまで。 読む者は山田先生のワールドワイドに嵌ってしまい、現実性等と言う枠は飛び越して、ドップリと物語に浸れる。 山田先生の先進性が分かる。

人間離れした忍者たち

各々の忍者が持っている秘技は、あまりにも人間離れしているので、サイボーグのように感じ、SFというか、マンガのようでもある。 奇襲・暗殺・だまし討ちと手段を選ばない非情な戦いの連続。 甲賀と伊賀に分類隔てられた忍者の宿命、ふたりの恋の結末に哀愁を感じた。 独特な秘技を持つキャラクター豊かな忍者たち。 弦之介と朧の引き裂かれた恋を絡めながら、想像を超えるスリリングな展開が続き、エンターテイメント作品として、大いに濃密な中身を持っている。 忍者の中でも、伊賀の薬師寺天膳と甲賀の如月左衛門の二人の影響が、この摩訶不思議なストーリー展開には欠かせない。 徳川家康の身勝手な所以によって取り決められた、甲賀と伊賀十人ずつによる忍者対決。 読んでいる最中は、甲賀の方に肩入れしていた。 薬師寺天膳は何とも下衆な野郎。