隆 慶一郎

一夢庵風流記

死ぬも生きるも運まかせ。たった一騎で戦場に斬り込み、朱柄の槍を振り回す―。戦国時代末期、無類のいくさ人として、また、茶の湯を好む風流人として、何よりもまた「天下のかぶき者」として知られた男、前田慶次郎。乱世を風に舞う花びらのように、美しく自由に生きたその一生を描く、第2回柴田錬三郎賞受賞の話題作。

一夢庵風流記 (集英社文庫)
一夢庵風流記 (集英社文庫)隆 慶一郎

集英社 1992-12-15
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参考レビュー

どれだけ生まれ変わってもこんな漢(おとこ)にはなれない

前田慶次郎は、闘いの中でしか生きられない、それでいて風流で知的である。 時は豊臣秀吉から徳川家康に移り変わる江戸幕府の夜明け前。 一通りの男が惚れてしまう漢(おとこ)が小説内に生き生きと活動していた。 そのご時世に、実在した前田慶次郎というカブキ者の生涯をたどった壮大なエンタテイメント小説。 その上は周囲を取り巻く命を意識しながらも、無二の部下となっていく忍びの骨や金、そのほかの人物たちも相当生き生きと躍動していて、超大作ながらもあっというまに読み終わった。 美化された戦国ご時世も、現在の内戦が激しい国となんらかわりない。 花の慶次というマンガで知っていたが、その原作となる小説らしい。 何をおいても、この主人公のキャラクターが素敵に光っていた。 余り予備知識なしに読んだが、相当面白かった。 国が安定するためには権力争いは欠かせない。 けれども、冷静に一考すると恐ろしいご時世だ…時の権力者に籠絡された国々は殺戮によって、侵略される。

漫画の原作だけあって一流のファンタジックな時代劇

とどのつまり慶次といえば長谷堂のお話が見せ場。 やはりのヤマ場が簡単に終わってしまう。 もうこれは個人の趣味のレベル。 現代の道のりモノ人気の根底にある作品のひとつでしょう。 ほどよくファンタジーなその中身は現在見ても色あせない。 わざわざ本作では触れない、前田慶次道中日記やら米沢でのお話もあるわけで、妄想物語にことかかない大いにメリットがあるな人物なのは間違いない。 慶次郎を一躍名高いにしたご時世劇の金字塔。 個人的には連載形態や作者の出自もあるのか、テキストのリズムが若干好きじゃないかな。 いたしかたなしか。 たぶん連載の方針だったんでしょうか。 講談的な構成であり一章完結。