我孫子武丸

探偵映画

新作の撮影中に謎の失踪を遂げた鬼才の映画監督・大柳登志蔵。すでにラッシュは完成、予告編も流れているが、実はこの時点で作品の結末を知るのは監督の み。

残されたスタッフは、撮影済みのシーンからスクリーン上の「犯人」を推理しようとするが…。『探偵映画』というタイトルの映画をめぐる本格推理小説。

探偵映画
探偵映画我孫子武丸

文藝春秋 2009-12-10
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参考レビュー

読んだ後映画を無性に見たくなる

デビュー作「8の殺人」の頃は、綾辻行人に始まる新本格派の例に漏れず推理「小説」としての文章力の低さを糾弾されたものですが、この頃になると文章もこなれて来て誰が読んでもそう文句は無い文章・プロットになっていると思います。映画は途中まで撮影したものの、監督が突然失踪してしまって残されたスタッフと俳優で残りを撮影しなければならないという状況に陥り、しかも台本は監督の頭の中にしかない。

キャストの俳優たちは犯人役が一番目立つからと言う理由で、みんながみんな、自分こそが犯人だと主張を始める有様w作中作の映画のクライマックスの真相も「8の殺人」や「0の殺人」の真相と同様驚きですし、小説全編に散りばめられた映画の薀蓄も映画好きにはたまりません。この「探偵映画」は普通のミステリと違い、作中作の「ミステリ映画」の中の犯人を、作中の人物が当てようとするという異色のミステリです。

読後に作中で言及されている映画をレンタルに走りたくなりますw

映画とミステリどちらか、あるいは両方が好きな人には必読と言ってもいいくらいおススメしたい本です。

うまいっ!!

本作は「探偵映画」という映画を描いた「探偵映画」という小説です。コテコテの本格好きも、軽いミステリー好きも嵌れます。なので、映画そのものについて・映画作りについてなどの薀蓄を延々と読まされる部分なども有ります。我孫子 武丸さんの作品は、これで4作目(かまいたちの夜を入れると5作目)ですがこの人の凄い所は難しいことをせずにミステリーを作ることだと思います。

難解なのにシンプルなので、種明かしですんなり納得できる。要は「うまい」んです。そして、意外な結末。未読の方は是非。

主人公は映画作りのチームの下っ端です。ダレそうになって来た所で、上手く場面が切り替わります。話自体が重くなく、テンポが良いのもその要因です。流石です。

本作もそうです。が、あまりダレたりはしません。これって凄いと思います。