泡坂妻夫

亜愛一郎の狼狽

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念す べき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

ユニークなキャラクターの探偵、亜愛一郎とともにその飄々とした姿を現わした著者の、会心の 笑みが聞こえてきそうな、秀作揃いの作品集。亜愛一郎三部作の開幕。

亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)
亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)泡坂 妻夫

東京創元社 1994-08-12
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参考レビュー

これぞ、短編推理小説集ベスト1

目ん玉が飛び出るほど巧妙な伏線。『掌上の黄金仮面』は、逆転の発想という概念を、小説の形に具現化したような作品。『黒い霧』は、パイ投げドタバタコメディに大笑いしてると、ちゃ~と巧妙な謎解きに連れて行かれ唸らされる代物。とにかく傑作です。

とにかく極上の職人技! 日本の短編推理小説集のベスト1です! 。奇矯な舞台設定に楽しい人物キャラ。語り出したらどの作品も凄くて、いくらスペースがあっても書き足りないくらい。ユーモアと驚愕でお腹も脳ミソも飛び跳ねる。

とにかくオススメです。『DL2号機事件』は、日常的な人間の行動のなかに驚くべき狂気を発見する、最後はちょっとブラックでもある怪作…。脳ミソがひっくり返るような奇抜なトリック。

収録作がどれも傑作でハズレなし。『掘出された童話』は、暗号ものを面白いと思ったことがない私を、夢中にさせた暗号ものの傑作。それらを、甘いユーモアのジャムやクリームを合わせて一つにデコレーションした、まるで極上のスイーツのような連作短編集。

トリック・キャラクターともに良質

やっぱり主人公が魅力的である。文字通りトリッキーな一冊。また他のキャラクターもしっかりと性格が書かれているので、短編集といえども愛すべき登場人物が満載だ。

トリックの方はメンタル面から攻めるものが多いが、パズルのように細かな仕掛けが綺麗に組みあわさる推理は見事。本著では「掘出された童話」が特に気に入った。

図書館を利用して借りたがあまりに面白いので買ってしまった。棚にそろえて損はない。

笑いどころも充分だ。