綾辻行人

Another

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラス の雰囲気に違和感を覚える。

不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。

そんな中、クラス委員長 の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受け る…。

Another (上) Another (角川文庫)
Another (上) Another (角川文庫)綾辻 行人

KADOKAWA / 角川書店 2011-12-25
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参考レビュー

完成度の高い小説

ホラーとミステリーが合わさった作品として公式で紹介されていますが、ほとんどホラーかと思います。そして表紙の絵が美しいです、漫画版の絵やアニメの絵も公開されていてどれもいい味を出していますがやっぱり遠田志帆さんの絵が一番作品のイメージと合致していますね。現に僕は一晩で一気に読みました。

色々とメディア展開も進んでいるようですが、制作者側がどうこの作品と向き合っていくのか今から楽しみです。まぁそれがミステリーのあるべき姿なのだとは全く思っていないのですが、そういう本を読み続けている人には首を傾げる展開が多いかと思います。

購入してから3回間を開けて読み返したのですが、3回とも新鮮な気持ちで読み進めることができました。しかし小説としての完成度は決して低くはないです。

物語は終始一人称で進んでいきますので読みやすく、話の区切りが細かいので少しの時間をかけてゆっくり読み進めていくのにもいいと思います。まず、頭の冴えた登場人物が名推理を披露し、真犯人を追い詰めていくという展開が皆無なのです。

キレイにやられました!

お見事です!26年に渡って続いている「呪い」に終止符を打つことが出来ていないことが、やや消化不良。幸い、鳴(メイ)には特殊能力がありますので、その力を使ってサカキと共に呪いに終止符を打つ続編が読みたいです!

叙述そのものは目新しいアプローチではないので、私生活側の描写の<あるものの描写欠落>が分かった時点で叙述トリックに気付けたはずなんですが、巧妙にストーリーに組み込まれているため、すっかりやられてしまいました。

主人公が未成年であるミステリ小説は(現実離れしていて)あまり好みではないんですが、本作はキャラクター作りなどがとても繊細で、物語として非常に楽しく読めました。

叙述ものが大好きなので、最初から叙述と聞いて読み始め、なおかつ割と分かりやすく伏線も張ってくれているので、Whoの部分について「半分」は当たったのですが、肝心の叙述が見破れず(だから「半分当たった」とも言えないのですが)、キレイにだまされました。