郷仙太郎

小説 後藤新平

東北の没落平民から身を起こし、医師、行政マンを経て台湾・満鉄の経営、東京市の大改革、関東大震災からの復興と、大胆な先見性をもとに新しい政策を次々に打ち立て、行革を断行した後藤新平の無私と実行力に貫かれた生涯をいきいきと描く。

小説 後藤新平
小説 後藤新平郷 仙太郎

学陽書房 1997-07
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後藤新平―外交とヴィジョン (中公新書) 人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)

参考レビュー

現職都庁マンが書いた異色の技術官僚伝

筆者渾身の評伝で、後藤の70年の生涯を短い文章でまとめ上げた力量は圧倒的です。しかし、圧巻は、最後の臨終に際して、自らの生涯を語らせる部分。

政治も官界も指針・矜持を失って漂流している現在、多くの方に読んで頂きたい優れた評伝であると思います。

医師にして、台湾民生長官、満鉄総裁、東京市長そして一時は総理待望論まで出た、異色の技術官僚の評伝です。一見、脈絡の無い経歴ですが、一貫して流れるのは、科学的な行政によって日本を近代化しよう、欧米の餌食にならぬ強い国にしようという気概。

大いに感銘を受けました。

カリスマ的経営者

彼の生涯を記したこの本は、彼を慕ってくる人への信頼や理屈を通した生き方が強く伝わってきます。しかし、読み進めるに従って後藤新平の揺るがぬ信念とカリスマ性に魅せられ、休むまもなく読破できました。

伝記を読み慣れない自分にとって、レポート作成のために腰重く嫌々読み始めました。『竜馬がゆく』が好きな人なら行政・政策にそれほど関心がなくても楽しめる、歴史小説です。

彼の首尾貫徹した説得力ある言動は、一般的なスキルアップのビジネス書や自己啓発本以上に、強く心動かされます。