氷室冴子

海がきこえる

高知の高校を卒業した杜崎拓は、東京の大学に進学し、一人暮らしを始めた。その矢先、同郷の友人から武藤里伽子が東京の大学に通っていると聞く。

里伽子は 高知の大学に行っていたのではなかったのか?拓の思いは、自然と2年前のあの夏の日へと戻っていった。高校2年の夏の日、訳あって東京から転校してきた里 伽子。里伽子は、親友が片思いする相手だけだったはずなのに…。

その年のハワイへの修学旅行までは…。

海がきこえる (徳間文庫)
海がきこえる (徳間文庫)氷室 冴子

徳間書店 1999-06-01
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参考レビュー

子どもも大人も楽しめると思います

感情も動作も、描写が非常に細かく書き込まれており筆者が本当に丁寧に作りこんで書いた本だと感じさせられます。私自身本の舞台となった時代からはかなり離れた世代ですが、それでも遜色なく主人公の気持ちを追いながら読んでいくことができます。

久しぶりに読み返すと、子どものころにはあまり理解できないまま読み流していた里伽子の父親の様子なども、なるほどそういう趣旨でこの人物がこう動いていたものかと、生活を通した経験を重ねた分描写のリアルさを感じることができました。高校生のころに読んだものを30も近くなって久しぶりに読み返してみましたが、時間を経過しても非常に面白く読むことができました。

世代を超えて読んでいける本で、このまま一つのクラッシックとなっていくレベルの名著ではないかと思います。

半永久的な青春小説。

私も、アニメを見てから、この小説を読むに至りましたが、なぜ、海がきこえる、に惹かれたのか、なんとなく感じることができました。

読む人に、青春とは?という問いかけに対する答えを、自然と導き出してくれる、半永久的な青春小説、であり、稀有な作品、ぜひ、皆様にも読んでいただきたいです。というのも、小説の方が、拓や里佳子、そして松野の心の動きが細かく描かれているため、さらに彼らの気持ちを感じ入り、同調することができたからです。

拓が、親友である松野を気遣いながらも、里佳子のことが気になってしまう、そんな彼の行動を読みながら思わず、うなずいたり、にやけてしまったり、しかしながら、極めて自然体で淡々と物語が進んでいくため、読み手側も無理なく同じ世界に入っていけます。

なかなか素直になれず、お互いの個性がぶつかりあって終わってしまった高校時代、大学生で再会して、こんなことがあったなぁと登場人物たちが思うのと同じように、読んでいる自分も、あったあった、と賛同してしまう、みんながそう思ってしまう青春時代の様々な場面が、この作品には描かれているんですね。