今邑彩

いつもの朝に

父を事故で失った日向家。画家の母と優秀な兄、そして落ちこぼれの弟・優太。二人はあるきっかけで恐るべき出生の秘密を知る…新感覚ホラーミステリー。

いつもの朝に
いつもの朝に今邑 彩

集英社 2006-03
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参考レビュー

最後まで飽きさせない!

今邑 彩・・・初めて読みました。理想だとは分かっているけれど、どんな出自であろうと「生まれてきて良かったね」「あなたに会えて嬉しい」と思ってもらえる人生であるといいですね。

過去の人物は別として、現在形で登場する人物がみんないい!それぞれみんなが生きている。あとがきに「私自身の予想よりははるかに明るいものにしました」とありましたが、このラストで良かったです。

文章、構成も読みやすく、更にラストがどうなるのか気になって、自分を急かす様に読み終えました。とても良かった。

400ページ、最初は「どうかなぁ」と思ったのですが、なんと2日で読み終えました。

惨劇と兄弟愛

本書の読後感は爽やかだ。体調にご留意いただき、今後も本書の様な傑作を期待したい。

兄弟の弟である優太が2度にわたって生命の危機を演じるところにはハラハラとさせられる。惨劇を背景とした真実に兄弟が迫るという内容だが、途中で驚くべき逆転劇が有るのが面白い。その点では著者の蛇神シリーズなどとは大いに異なる。

本書には著者の最近の作品でみられる様な幻想的雰囲気は無いが、骨格のしっかりとした物語性が有る。また、犯罪者の血は遺伝するのかという、結論の出ない様な問題も改めて考えさせられる。

著者は本書執筆中に大病をしながらも苦労して書き上げたらしい。その意外性や精緻な心理描写に引き込まれ、時間を忘れて読み入ってしまう。