垣谷美雨

リセット

ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。”未来の想い出”がリプレイ される毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そしていま、再び新しい人生へ! 

人生は変えられるかもしれない……読んだあと、景色が違ってみえる ような、不思議と元気になれる長編小説。

リセット (双葉文庫)リセット (双葉文庫)
垣谷 美雨

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参考レビュー

人生のバイブル

本作品では、三人の中年女性が、三十年前にタイムスリップする。これらは、齢を重ねて、多くの経験を積んでから、ようやく掴み取る事が出来る様な内容だ。

大人は、それらを、決して口に出しては言わない。これから社会人になって、または、自らの輝かしい人生をアレンジしようとしている方には、正にバイブルの様な作品だ。

私の知る範囲でも、50作品程度は揚げられるので、その実数は、非常に多い。ここでは、思ってはいても、口に出しては言えない様な事が、ズバズバと書かれている。

それでも、充実した内容、つまり本作品のエッセンスの前には、その様な事は霞んでしまう。

それらは、人生の重要な指針であり、かつ、真理でもあるのに、だ。本作品は、多くの小説作品を読んでいる方には、小説技巧的な面で、少したどたどしく感じるかも知れない。

ケン・グリムウッド著の名作「リプレイ」以降、夥しい数の、人生をリセットする物語が書かれた。そこで三人が目の当たりにするのは、当時の眼では見る事の出来なかった現実だ。そんな中で、本作品には一味も二味も異なる味わいがある。

幅広い年代の女性に自信を持ってお勧めしたい本

人生に遅すぎるとか、女だから、とか理由じゃないかもと思わせるからかもしれない。30年前に戻っても、47歳の記憶を持ったまま戻り方が分からず33歳までその人生を生きる。

この本を読むと、なんだか体に元気が充電されていく。

過去の自分に戻るタイムマシンもどきの小説は多いけど、この本はそこを47歳の女が30年前に戻るという、女の人生やり直しに視点を置いているので目新しく大変面白かった。

その47歳の記憶がミソで、高校3年生の当時には見えなかった母親の姿が、47年間女の人生を経験したからこそ見える姿。

晴美、薫、知子3人の個性が異なるだけに、人生の選択にも個性が出て、女の人生に幅が出ている。結婚、仕事、出産、介護と、女の人生には避けて通れない問題を、異なるタイプの女3人が違う人生を生きることから見えてくるもの。