北方謙三

望郷の道〈上〉

福岡・遠賀川で船頭のまねごとをしながら日々を過ごす小添家三男・正太。佐賀県内に三つの賭場を持つ藤家の女将・瑠〓(い)。接点などまるでなかった二人 が出会ったとき、思いも寄らなかった人生の扉が開く。

婿養子として藤家に入った正太は賭場の改革を進め、見事に稼業を拡大していく。その隆盛を妬む者たち の陰謀が背後に忍び寄っていることを知らずに…。

望郷の道〈上〉 (幻冬舎文庫)望郷の道〈上〉 (幻冬舎文庫)
北方 謙三

望郷の道〈下〉 (幻冬舎文庫) 抱影 (講談社文庫) 黒龍の柩 (上) (幻冬舎文庫) 黒龍の柩 (下) (幻冬舎文庫) 杖下に死す (文春文庫)

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参考レビュー

引き込まれるストーリー展開!

息もつかせぬストーリー展開が、読み手をぐんぐんと引き込む素晴らしい作品であると思います。また、歴史が苦手な方も全く問題なく読めます。ありがとうございます! 。

個人的な話ですが、日経新聞の連載開始時数日で読み続けるのを止めてしまいました。北方氏の著作は初めてですが、下巻はもちろんのこと、他の作品も読みたくなりました。

20ページを過ぎたあたりからどんどんと面白くなってくるので、その前に止めてしまったのだと思います。

ジャンルは「歴史小説」になるのかもしれませんが、歴史的背景をまったく知らなくとも楽しめるストーリーです。ぜひこの作品もドラマ化して欲しいです。久しぶりに傑作に出会いました。

今となってはそのことをすごく後悔している反面、一息に読みたくなる作品なので、結果書籍で読むことができて良かったのかもしれません。

また、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」と同時代を背景とした作品でもあり、歴史好きな方にはさらにたまらない作品かもしれません。主人公を中心に男気のある行動や台詞が多々あり、読んでいて「爽快感」を感じさせられます。

熱い時代の、熱い日本人の物語

読んで損はない。新聞連載時から気になってはいたが、改めてまとめて読むと、ぐいぐいと物語に引き込まれ、ページをめくるのがもどかしいほどだ。博徒稼業をうら若き女性の身で継承した女親分。

本当に、明治の時代にはこういう人たちがいたのかと思うと嬉しい。主人公・藤正太もかっこいいが、嫁の瑠'が痺れるほどかっこいい。

小説のエピソードのうちどれだけが事実かは知りようもないし、穿鑿することに意味もないのだが、話半分にせよ北方氏は「ものすごい」曾祖父母を持っておられるのだなぁと感服した。

腹の座っていることといったら比類ない。熱い時代の、熱い日本人の物語。