松岡圭祐

ブラッドタイプ

血液型性格ブームが加熱しすぎた近未来―とりわけB型人間に対する差別や偏見が広がっていく。ひとりの白血病患者の女性がつぶやいた。

「骨髄移植をすれば 血液型が変わり、B型になっちゃう。B型になるくらいなら、死んだほうがマシよ!」全世界で、日本にのみ広がる非科学的な迷信、血液型性格論。なぜ人は信 じてしまうのか、なぜ当たっているように感じるのか。

ないものをないと証明するのは極めて難しい。だが奇跡を起こさねば、彼女を救うことはできない―。

クラシックシリーズ11  千里眼 ブラッドタイプ 完全版 (角川文庫)クラシックシリーズ11 千里眼 ブラッドタイプ 完全版 (角川文庫)
松岡 圭祐

クラシックシリーズ12  千里眼 背徳のシンデレラ 完全版 上 (角川文庫) クラシックシリーズ12  千里眼 背徳のシンデレラ 完全版 下 (角川文庫) クラシックシリーズ10  千里眼とニュアージュ 完全版 下 (角川文庫) クラシックシリーズ10  千里眼とニュアージュ 完全版 上 (角川文庫) クラシックシリーズ9  千里眼 トランス・オブ・ウォー 完全版 上 (角川文庫)

by G-Tools

参考レビュー

考え抜かれたハッピーエンド

もっと人間をよく見なければいけないと思いました。その人が使っていたトリックを見破ったところはさすがに岬美由紀。単なる商売として血液型を扱っていた男を最終的には味方につけたところも、美由紀の人間的な能力なのでしょう。

血液型カウンセラー城ノ内という人物も登場します。B型になるのが嫌だからドナー手術を受けない、という件が実例としてあったことなのか、あるいは実例にどの程度近いのかは、申し訳ないのですがよく知りません。

しかしながら、血液型に対する偏見というのは以前からありますね、私も含めて。

千里眼シリーズの読者からすると、正直かっこ悪いのですが、それも人間ということを著者は描こうとしたのかもしれません。それは岬美由紀の超人的なキャラクター設定によるところが大きいと思うのです。

この作品では、催眠シリーズの嵯峨敏也や、一ノ瀬恵梨香といった臨床心理士が集合して、コラボレーションの活躍を魅せてくれます。

松岡氏の著書では千里眼シリーズが多くの人気を集めていると思います。

また、白血病を患った嵯峨を愛する美由紀の揺れに揺れる心理が、彼女が千里眼シリーズで活躍したイメージから完全に引き離して、普通の女性にしてしまうシーンも印象的です。この作品最後の一行を読んで。

血液型で性格は変わらない

美由紀さん、初めて例の巨大掲示板を見たんですね・・・さぞかしショックだったでしょう(笑) 今回はとても身近な舞台で、血液型をめぐって起きる悲喜こもごもの事態に対処していく三人の知的?な活躍ぶりが描かれます。

岬美由紀、嵯峨敏也、一ノ瀬恵梨香。

著者の三大主人公にして三大カウンセラー勢ぞろい。

全体的に「催眠」や「バグ」に近い人間ドラマ調のストーリーで、コミカルなところもあって楽しませてくれます。