村山由佳

翼 cry for the moon

父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子ティムも、実 の母親から虐待を受けて育った子供だった。

自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリ ゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。自由と再生を求める感動長編。

翼―cry for the moon (集英社文庫)翼―cry for the moon (集英社文庫)
村山 由佳 池上 冬樹

野生の風 WILD WIND (集英社文庫) 星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫) 永遠。 (講談社文庫) 遥かなる水の音 (集英社文庫) きみのためにできること(集英社文庫)

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参考レビュー

食わず嫌いはいけません

私はこの作品は食わず嫌いならぬ、読まず嫌いをしておりました。そして、飽きることなく読めます。だって、やたら分厚いし、アリゾナが舞台だとかで難しそうだったし。

でも、読んでみたら素晴らしかったです。それに、何より全てのキャラクターに好感が持てます。

途中でナヴァホ(インディアン)のエピソードが何度か挟まれているのですが、これがちょっと難しいので、そこは飛ばして話を全部読んでから後でそこだけ読みなおすくらいでもいいかもしれませんwとにかく、オススメです!最後は泣けます。

村山由佳さんのなかでも私はこれが一番好きです。他の作品は割と男の子が恋愛をするといった生易しい感じの作品が多かったのに対して、この作品は非常にスケールが大きくて素晴らしいです。

とにかく泣きました

それでも物語の終わり方はなんともいえない清々しさを残す感じで、読者を少し元気にしてくれる、そんな作品でした。

日本という故郷を捨て、アメリカという新しい土地で奮闘する主人公はやがて自分を心から愛してくれる男性と、その息子に出会い、過去に虐待の経験を持つその息子と共に再出発しようと決意したその瞬間、主人公の手から全てが奪われていきます。

幼い頃に心に深い傷を負ってしまった主人公は、優しい周囲の人々と共になんとか立ち直ろうともがき続けています。

ページをめくること数十ページで既に涙し、とにかく最後まで涙の尽きないお話でした。