永森裕二

ねこタクシー 上

デブ猫の御子神さんは、俺がもっていない全てを持っていた。―間瀬垣勤、48歳。元教師。現在タクシー運転手。仕事も家庭も、やる気ゼロ。

そんな間瀬垣の 前に現れた、一匹の野良猫「御子神(みこがみ)さん」間瀬垣は、御子神さんを助手席に乗せ、「ねこカフェ」ならぬ「ねこタクシー」を開業する。

ねこタクシー 上 (竹書房文庫)ねこタクシー 上 (竹書房文庫)
永森 裕二

映画版 ねこタクシー DVD おかめなふたり (幻冬舎文庫) ビーの話 (ちくま文庫) ねこタクシー 御子神さんがやってきた! (集英社みらい文庫) のらねこ。

by G-Tools

参考レビュー

タクシーの客は猫の目のように変わる

折しも東日本大震災の避難所で、被災者のペットをどうするか、という問題が発生してましたので、単に猫好きの作者による猫好きの読者向けの作品、という以上の心構えで読みました。

主人公、間瀬垣 勤(ませがき つとむ)は、タクシーの運転手。無茶苦茶なクレームをつける客や、厭味な同僚に心中で毒づきながらも、口に出したり、行動したり、ましてや努力したりはしない。血の繋がりはないけど続けて三毛を飼ってます。

映画では『チグラーシャ』が可愛かったです。営業成績は所内ダントツ最下位、家では教師の妻と中学生の娘に頭が上がらない。そんな彼がある日公園で出会った野良猫、御子神(みこがみ)さん。

猫を扱った作品で涙したのは『やつがれとチビ』『猫絵十兵衛』以来かな(どちらも漫画です)。いやしかし、御子神さんのビジュアルが本当にウチの猫に似てるので、笑うやら涙するやら。

色々な事を他人のせい、社会のせい、時代のせいにしている序盤の間瀬垣さんが、御子神さんとの日々を通じて、ラストに小さくても生まれ変わることに、心動かされました。

些細なことから客に御子神さんとの再会を申し入れられたのを断り切れず、会社にも家族にも秘密で、猫を乗せたタクシーを走らせることになってしまう…表紙の写真の猫が、我が家の猫にあまりにも似ているので上下巻まとめて購入。

私はこの本を読んで、「ねこタクシー…乗りたい…」と呑気に思いましたが、やはりアレルギーの方なんかは「命にかかわるのに、冗談じゃない!」と思うんでしょうね。普段は「映画原作!」とか帯に描かれた本はあまり手に取らないのですが…。

猫カフェより猫タクシー

帯の主人公役の方の写真にもつられてしまいました。夫婦で英語の先生なのに、妻は帰国子女なところとか。

野良猫と、タクシー運転手のほのぼのとした物語があり、猫が乗っているのが嬉しく思うお客さんがいてという。

表紙の猫の写真につられて手に取りました。初めから、猫好きで、猫を助手席に乗せていた話だったら、きっととてもつまらない話だったろう。

お客さんへの説明のあり方の課題としても。ちょうど、話題として禁煙の話があり、タクシーの運転手さんが、勝手に吸われて困っている話があったので、本当に現実味のある物語になっていると思いました。

内容がほのぼのとしたところは、主人公がいかにもどんくさいところとかぶる。下まで読んでみると、禁煙の話との関係もよくわかるかもしれない。