夏川草介

神様のカルテ 2

栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。

神様のカルテ2 (小学館文庫)神様のカルテ2 (小学館文庫)
夏川 草介

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参考レビュー

お医者様のお話ではなく人間のお話でした。

医療に携わっているわけではないので現実の医療現場の内情などわかりません。内容とは関係ないのですが、私は基本的に単行本を買いません。理想論という意見もあるようですが、小説ですので私はそれでいいのだと思います。

しかし、それ以上に描かれていたのは医者は医者である前に人間ということでした。

先程読み終えたばかりなので言い方が大げさになってしまうかもしれませんが、少なくとも今まで読んできた作品の中で一番「この作品に出会えてよかった」と思わせる一冊でした。

単行本一冊で文庫本が2~3冊買えてしまうからなのですが、前作を文庫で読みとても気にいったので、思わず単行本で買ってしまいました。大きく分けて医者夫婦とその娘の問題と成長。

2組の老夫婦の最後をもってしてそれが表現されていました。日本語が理解できる人全員に一度は読んで欲しい一冊と言わせていただきます。

医者らしさって誰が決めたのでしょうね?人には、92歳であろうと3歳であろうと、その人だけの人生があります。

読み終えた今、それに関して後悔など微塵もありませんし、下手な文庫本を何冊も買うくらいならこの一冊を何度も読むほうがいいでしょう!どうしても個人差はあると思いますが、是非一人でも多くの方がこの作品を読んでくれればと思います!。

作中に医師が悪い意味で医者らしくないと非難される描写がありました。前作を読み、素晴らしい作品でしたので、この作品をすぐに購入し読みました。

泣くことを許す気持ちでページをめくろう。

タイトル通り医療ものである時点で涙が浮かぶシーンがあるであろうことは誰でも察しがつくことだ。この作品はしっかりとした人間が描かれている。そして続編であるためその趣は一層強くなることも予想できる。

人間ドラマが描かれている。それに対して、お涙頂戴などと批判するのはてんで見当違いの発想だ。売れるからといって惰性で続く物語にならないことを強く願う。

男爵についての描写に次につながるものが含まれており、これはシリーズとしてこれからも続いていくもののようだ。肩肘張らずに素直に、泣くことを自分に許してページをめくろう。

医療の現場の過酷さは知られた話だが、それは現実でありそんな環境下でこの夫婦のように生きている地方の町医は多く実在しているように思う。暖かいのだ。著者の描く夫婦の存在が実に強く読者の心をつかむ。