西澤保彦

七回死んだ男

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人―。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。

孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。

七回死んだ男 (講談社文庫)七回死んだ男 (講談社文庫)
西澤 保彦

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参考レビュー

真相に思わず笑みが

もちろんSFミステリーというジャンルに興味が沸いた方は是非手に取っていただきたい本ですが、パズルミステリ好きの方にも是非是非の一冊!!登場人物全員全員に愛嬌があるのもこの小説の魅力です。

笑エンターテイメント性あふれる小説、誰にでもオススメしたい一冊です。とにかく本格のミステリの名に恥じないできです。

あとがきでも述べられていますが、ミステリの場にSF要素を持ち込んだ『七回死んだ男』はついついイロモノ小説と捕えられがちですが、その実徹底的な論理と根拠に基づいた構造をしています。

実年齢の倍以上の精神年齢を持つ久太郎少年の妙に達観した台詞には幾度も笑わせていただきました。

なぜ気付けなかったんだ!!あからさまな伏線があるにも関わらず事件の真相に気付けなかった自分に憤慨すると同時にしてやられたと笑ってしまいました。

SFにロジックミステリを持ち込むと

1月2日、親戚の集まった日に祖父が殺されてしまう。3周目、4周目、久太郎は祖父の死の原因を突き止めてなんとかそれを回避する行動をとるのだが、やはり祖父は死んでしまう。

リプレイされてしまう日は不定期だが、リプレイされる回数はちょうど9回。

妙に老成した高校生・大庭久太郎には妙な「体質」がある。同じ日を9回繰り返すことで、推理のトライアル&エラーを繰り返しながら少しずつ真相を突き詰めていくことや、きちんとミステリの常道に従ったどんでん返しに至るところにちりばめられた伏線。とんでもなく面白い作品でした。

ミステリにSFを持ち込んだとも言われますが、どちらかというとSFにミステリを持ち込んだような作品です。

以前から時間旅行をテーマにしたミステリーがあると聞いていて読みたかった一冊。普通に暮らしている最中にある一日がリプレイされてしまうのだ。図書館でないものかとおもっても、常に貸し出し中なのでとうとう購入してしまいました。

野球と同じその最終回のリプレイが確定した事実になってしまう。

奇抜な組み合わせに見えて、これが絶妙。ところが、久太郎にとってはそれは異常な事態……祖父は死ぬはずがない……リプレイが始まってしまった1周目には死ななかった祖父が、2周目には死んでしまう。