野中ともそ

宇宙でいちばんあかるい屋根

中学生とおかしな老女、闇夜の屋上で永遠の物語がギクシャクとうごきだした!―絶妙な会話、胸いっぱいに宇宙が広がるラストへ。小説すばる新人賞受賞作家の感動作。

宇宙でいちばんあかるい屋根 (角川文庫)宇宙でいちばんあかるい屋根 (角川文庫)
野中 ともそ


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参考レビュー

愛しさを感じるまでの時間

自分を取り巻く様々な存在の大事さを改めて感じされてくれた大好きなお話です。多くの人と出会い、すれ違って別々の道を歩んでいく。でも不思議と嫌な青臭さがない。

14歳の主人公が星ばぁとの出会いを通して、それらが力強く愛しさに変わっていくまでの物語。

「私は元気だよ」そう誰かに伝えれるように生きよう。

日常の些細な瞬間瞬間にわき上がる小さな小さな葛藤を知らず知らずに乗り越えて、私たちは成長していく。それが当たり前だと思えてしまう現在から、誰もが通る「あの頃」を思い返すとき、思う。

それはきっと、「私の話」で終わっていないからだと思う。

目に見えないもの、かつて見えていたもの。この本を読み終えたとき、眠っていたそれら全てがちょっとだけ自分の中で暖かく躍動する。どうぞゆったりとした気持ちで読んでみてください。

どうしてあんなにも不器用だったんだろう、と。まだ形にならないぼんやりと感じる大切なもの。すごくおおざっぱにいってしまえば「思春期」を舞台にしたお話。

まだ、ボクも明るい。

ボクも眼の前に、おばあさんに現れてもらって、まだ知らないであろう世界を、教えて欲しいです。今が上手くいかないことに悲観したり、それ故に斜に構えたりしていても、この作品に感動できた人は、まだその人生を捨てたわけではないでしょう。

おばあさんを始め、この作品には、それを知らせてくれる、たくさんの個性あふれる人物が溢れています。レビューに書いてあるとおり、おばあさんと少女の交流を描いた作品。

確かにそうだろうけど、物語の最後には、しっかり心内に住み着いていたことを気付かされる。おばあさんの服装を含めた突飛な人物像は、少女を成長させていくための、設定であると思われる。