野沢尚

反乱のボヤージュ

坂下薫平19歳。首都大学の学生寮で、個性溢れる面々と楽しい日々を過ごしていた。だが、寮の取り壊しをもくろむ大学側は、元刑事の舎監・名倉を送りこ み、厳しい統制を始める。

時を同じくして起こった、寮内のストーカー事件や自殺未遂騒動。だが、一つ一つのトラブルを乗り越えながら結束を固めた寮生達 は、遂に大学側との戦いに立ち上がる。現代の若者達の「旅立ち」を描く、伸びやかな青春小説。

反乱のボヤージュ (集英社文庫)反乱のボヤージュ (集英社文庫)
野沢 尚

そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノ-ト (講談社青い鳥文庫) 神田川デイズ (角川文庫) 砦なき者 (講談社文庫) 深紅 (講談社文庫) 破線のマリス (講談社文庫)

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参考レビュー

名倉さんがカッコよすぎる

本当にそれでいいのか?どうするべきなのか?未熟な学生たちに大人ならではのアドバイスを名倉が与えていきます。

野沢尚作品で今まで読んだ中で一番よかったといえる作品かもしれません。大学側との対立で廃寮に立ち向かう学生たちががどんな行動をするのか?という出だしですが、舎監としてやってきた名倉が登場してから少しずつ変化が起きていきます。

名倉がカッコよすぎるかもしれませんが、読んでよかったといえる作品です。学生1人1人にあるできごと、事件が起きると、名倉がなにかしらの関与をしてくるのですが、そのかかわり方がいいです。

「魔笛」、「殺し屋シュウ」などでは暴力的なカラーがありますが、本作は学生寮に住みつく学生の成長をうまく描いています。

懐かしい

権力に抗い、最後はどうなるのかとハラハラしながら読みました。筆力があると言ってしまえばそれまでですが、この雰囲気を出すのにどんな取材をしたんでしょうか?作者自身寮生活の体験があるんでしょうか?ちょっと興味を持ちました。

20年ほど前、学生時代に某国立大学で寮生活をしていたのですが、まさにこんな感じでした。

寮の監視に来た管理人は、現代の腑抜けた学生に我慢がならず、自ら「当局」と対決することになったのではないでしょうか。とアメリカの要人に語っていたいう話を思い出しました。

大学の学生寮の特殊な雰囲気がよく出ていてとても面白く読みました。腑抜け社会人の私としては、長いものに巻かれる自分に反省もしながら読了しました。

田中角栄が、街頭デモをする左翼の学生について、女の尻を追い掛け回したり、マージャンをしている腑抜けどもよりよっぽどましだ。国家の将来を案じており見所があるのだ。