荻原浩

誘拐ラプソディー

伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切っ たものの、誘拐に成功はなし。

警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に。しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまう―。はたし て、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?たっぷり笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語。

誘拐ラプソディー (双葉文庫)誘拐ラプソディー (双葉文庫)
荻原 浩

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参考レビュー

だめなヤツ、でも憎めない。 ハラハラさせられ、感動します。

自分のことをろくでもない人間だと認識しているが、本当はいいやつです。自分ではそう思っていなくても、子供とお母さんと読者だけは知っている。前科はあるけど本当に悪いことは出来ないし、心の温かい不器用な人間。

主人公の秀吉は、とにかくだめなやつ。秀吉と伝助が巻き込まれるとんでもないドタバタ劇・感動の結末に引き込まれ、読み始めたら止まらなくなりました。

まだ子供である伝助のことを尊敬できる、素直な人間。優柔不断だし、正義感もないし、責任感もないし、何をやってもうまくいかないという具合。

物語は主人公秀吉の視点、一人称視点から描かれます。

おもしろかったです

冒頭の秀吉が自殺をためらうシーンはとても面白く、おもわず「死ぬ気ないじゃん」って突っ込んでしまいました。又、伝助が無邪気でとてもヤクザの一人息子とは、思えないほど素直でかわいいです。秀吉の混乱ぶりは、本当に読んでておもしろいです。

そんな秀吉が人生一発逆転のチャンスと金持ちの子供、伝助を誘拐し5千万せしめようとするのですが、伝助がヤクザの一人息子だったために、ヤクザ、伝助を誘拐しようと計画していた中国マフィア、警察に追われてしまいます。

どんどん読み進めていけますので、ぜひ読んだことのない人は読んでみてください。そんな秀吉と伝助の逃亡中のやりとりもうまくかみ合わずそれでいてうまくはまっていて、なんともいえなくいい感じです。

秀吉と伝助の「キズナ」は最後にほろりときます。おすすめです。