大沢在昌

走らなあかん、夜明けまで

東京っ子の会社員が出張先の大阪で間違って大事な鞄を盗まれる。極道たちの手から取り戻すため、キタからミナミと初体験のナニワの街を命がけの大爆走、大 追跡。

ヤクザ同士のメンツをかけた争いに巻きこまれ、次々襲ってくる過酷な状況に涙をふり払って立ち向かう。息づまるワンナイト・チェイスの興奮。

新装版 走らなあかん、夜明けまで (講談社文庫)新装版 走らなあかん、夜明けまで (講談社文庫)
大沢 在昌

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参考レビュー

じつは新宿鮫より好きだったり

なにがいいって、主役がサッパリ冴えない堅気のリーマンってとこですよ!そんな平和な日々をすごしてる冴えない社員が、異邦の地でヤーさんとトラぶってしまう展開がサイコー。

冴えないとはいえ単身でヤーさんの事務所に入るといった無鉄砲な事もしでかしたりして、まったくこの坂田からは目が離せないよね(輪 新宿鮫のようにキャラを掘り下げた深みはないけど、その文スピード感に溢れたエンタメとしては1級なのではないでしょうか。

ハリウッド映画を思わせるよね、そのような作りに!大技サイコー! 。

ハードボイルドでは、主役の男(女)は、過剰にカッコつけてるタフガイで気障な台詞履いて・・ってのが相場が決まってるが、本作ではそういうのがないので、まことに等身大で教官が持てるので面白かったし、ドキドキわくわく!の展開が良かったです。

ちょっとイガイかな?

設定にもそれほど無理はない。この作品を読んで感じた第一印象は本当に大沢さんの作品かという疑いだった。この作品のおもしろいところは、主人公が至極まじめなサラリーマンだということ。そういう意味でも異色作である。

この作品は、絶対にショッピングカートの移動させるべきだ。その上過去の作品を振り返って素人を主人公にした作品がこの著者にあっただろうか?アルバイト探偵は別(主人公の親父さんがいろんな意味で化け物だから)としてなっかったように思える。汗だくになり、ボコボコにされながらもひたすら走るという、そのひたむきがとても気に入った。

スピード感があり、安定したストーリーであり。損はさせない。それだけの価値がある。そのイメージと180度方向性の違うこのような作品があるとは思いにもよらなかった。

ぜひ読んでほしい。僕が持っていた大沢ワールドというものが、プロフェッショナルを主人公とした、シリアスで、展開の遅い(非常に安定していて)作品というものだったからだ。

そんな普通のサラリーマンが、企業秘密(おかか味のオニオンチップス)を取り返すために命がけで奮闘するというのが物語の骨格なのだが、途中でやくざの争いごとに巻き込まれてさあ大変。