折原一

沈黙の教室

青葉ヶ丘中学3年A組―悪魔のようなこのクラスを、担任教師が名づけて「沈黙の教室」。何者かが不気味な恐怖新聞を発行し、つぎつぎと粛清の対象を指名し ていく。そして行なわれる残酷ないじめ。

やがて20年がたち、クラスの同窓会の告知が新聞に載った時、報復を誓う者による大量殺人計画がひそやかに進行し はじめた!めくるめく多重構造の謎と、じわじわと忍びよる恐怖。日本推理作家協会賞長篇賞に輝くサスペンス。

沈黙の教室 (ハヤカワ文庫JA)沈黙の教室 (ハヤカワ文庫JA)
折原 一

暗闇の教室〈1〉百物語の夜 (ハヤカワ文庫JA) 暗闇の教室〈2〉悪夢、ふたたび (ハヤカワ文庫JA) 倒錯のロンド (講談社文庫) 倒錯の死角 (講談社文庫) 逃亡者 (文春文庫)

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参考レビュー

折原氏の最高傑作

20年前の小学校の同窓会の通知が復讐劇の始まりとなる。そのクラスは正体不明の"恐怖"に支配され、その"恐怖の支配者"に逆らう者は"粛清"される。過去と現在の謎が錯綜する中、結末に近づいても犯人の正体を掴ませない作者の卓越した技巧。

なにしろ"恐怖新聞"が配られるのだ(つのだじろうみたいだ)。この過去の描写は圧巻である。

いやが上にも緊迫感が高まる。そうした過去の忌まわしい出来事が「百物語」の形式で語られる。個人的には作者の最高傑作だと思う。

異様な程に息詰まるサスペンスと本格の味とが見事に融合した現代ミステリの傑作。それとカットバックして現在の連続殺人事件が描かれる。

意外性は少ないが読んじゃう

小説の結末や、犯人に、そんなに意外性はないし、読後感もそんなによくありません。

…でも、そういいながら、この本は、面白く、引き込まれるように、どんどん読みました。それは、最初に記憶喪失の男を登場させ、それと恐怖新聞の支配する過去の学校がどうかかわるのか?

記憶喪失の男の招待は?という、導入部の設定が謎にみちていて興味深いからだと思います。

確かに、作者としてはこの小説と違う作品で、賞をもらいたかったのだろうと思います。そう言う意味では、彼の代表作ではないと思います。

読んで損はない本だと思います。作者自身も、この本は、そんなに好きではないと、別の本の解説で語っています。