重松清

きよしこ

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが 欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。

ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっ と―。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。

きよしこ (新潮文庫)きよしこ (新潮文庫)
重松 清

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参考レビュー

心臓が締め付けられるような

電車の中で読んでは涙し、鼻をすすり途中で読めなくなること頻回。「きよしこ」のことば「ほんとうに伝えたいことだったら・・・伝わるよ、きっと」は胸に響きます。

これからの彼の長い人生を考えると、はたして恋愛ができるのだろうか、仕事に就くことができるのだろうか、などと心配ばかりです。

息子は今は連発から難発にかわっており、体をたたく、床を蹴るという随伴症状を伴いながら一所懸命話しています。しかし、この本のきよしのように、いつか自分で長いトンネルをくぐって、自分の人生を見つけてくれれば、と願うばかりです。

息子のしゃべり方そのものの主人公きよし。その中に、重松さんからの投稿があり、「きよしこ」という本の存在を知りました。息子に吃音があり、吃音についての本を探しては読んでいました。

「きよしこ」の中の短編「ゲルマ」の中に、クラスの女の子が吃音をかわいそうだ、といったことに対し、主人公が「そんなことない!」といったのは、改めて吃音について考えさせられました。

家では、あつい涙を流しながら読みました。先日、たまたま寄った本屋さんで横積みにされている「きよしこ」を見つけ、さっそく購入、読んでみました。

やはり。

ふと温かくなる場面、寂しくなる場面、読者を上手に引き込む力があります。だからこそ、主人公少年の気持ちがよく伝わってきます。

毎度のことですが、重松清さんの作品はほとんどが思わず涙してしまいます。

読んで、心動かされて清らかな気持ちになって欲しいです。

心が動く、誰にでも読んでいただきたいそんな作品です。