城山三郎

雄気堂々〈上〉

近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。

武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊王攘夷の 運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員とし てフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。

雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)
城山 三郎

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参考レビュー

一石五丁くらいの価値

とにかく読んでよっかたと思える本だと思います。それだけではなく、渋沢栄一の生きた明治時代の新たな側面を知ることができ、渋沢栄一との係わり合いの中で明治の巨匠、大久保利通、伊藤博文、西郷隆盛らの性格まで知ることができる。

渋沢栄一とは、合本組織(今で言う株式会社)を作ることが日本のためになると信じてそれに尽くした人。また、城山さんの博学な経済知識のおかげで、経済の勉強にもなります。

随所に出てくる渋沢栄一の考え方、生き方に刺激を受け、自分もやらなきゃという気がしてくる人は多いはず。幕末から明治時代という激動の時代を渋沢栄一がどのように過ごしていったか、それが時代の描写とともに語られていく。

勇気堂々

誰もが知っている三井や三菱、第一銀行などが出てきて、今の企業の成り立ちがわかり驚きがあります。渋沢栄一が大事業を成しとげたのも、明治維新で命を捨すてるような経験をいくつもし、人間としての器と胆力が強くなったからだと思う。

彼を取り巻く人間関係も知っている名前がたくさんでてきて、一癖も二癖もある人達が己の思惑で激突するところなど面白い。

渋沢栄一が窮地に立たされた時、常に最良の道を選択し、貢献できる道を選ぶところなど現代に生きるわたしたちにも学ぶべきところがあります。

一農民の出身でありながら明治の元勲と肩を並べ派閥に属さず、近代日本の民業に力を入れ、日本の経済を発展させた、渋沢栄一の伝記小説です。